JAAS News 2010年新春特別号 《法人化のご報告》
 をお届けします

              シニア社会学会事務局 2010年1月8日

               < もくじ >
シニア社会学会の法人化に関する会長挨拶
@「見える化プロジェクト」“V-JAAS”始動!
A 参考資料:「一般社団法人 シニア社会学会 設立趣意書」

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    シニア社会学会の法人化に関する会長挨拶
                          
                            2010年1月8日
                    シニア社会学会会長 袖井孝子

明けましておめでとうございます。
新年を迎え、シニア社会学会も新しい第一歩を踏み出そうとしております。昨年末のJAASニュースでお知らせしたように、12月22日には「一般社団法人シニア社会学会」の登記を終えました。

学会が発足して10年。10年一昔と申しますが、そろそろ制度疲労が目に付くようになりました。最近では、設立時にかかげた理念や目標が達成されていない、プログラムがマンネリ化しているなど不満の声を耳にするようになりました。会員の高齢化や本人または配偶者の病気による退会や活動の停滞も見られるようになりました。

こうした危機的状況を打開するために、一昨年の夏以来、理事・運営委員を中心に、度々研究会を重ねた末、昨年5月の定時総会で一般社団法人への道を選択することが承認されました。法人格を取得することによって、社会的な信用度が増すだけでなく、契約の主体になることができ、行政や民間組織からの事業委託を受けることができるようになるため、学会の財政状況の改善を図ることも可能になります。

法人化につきましては、“NPO法人”と“一般社団法人”のいずれを選択するかについて議論を重ねましたが、NPO法人がどちらかと言えば限定された目標達成を目指すのに対して、より広い活動を目指すシニア社会学会には、一般社団法人がよりふさわしいとの判断に達しました。将来、公益法人を目指すためにも、一般社団法人になっておくほうが得策ではないかと思われます。

現在のところ、一部の理事を正社員として一般社団法人の設立が行われ、シニア社会学会が全体として任意団体から一般社団法人に移行するためには、最高議決機関である総会の決議を得なければなりません。したがって、本年5月22日に開催される第9回総会・大会までは、両団体が並列することになり、会員は任意団体であるシニア社会学会の会員に留まります。そして、この総会で任意団体としての解散と同時に全会員が一般社団法人に一括して移行することになります。

法人化されたからといって会費が値上げされるわけではなく、活動や会員に対するサービスには何の変更もございません。当学会を取り巻く昨今の情勢変化に積極的に対応し、法人化のメリットを活かして今年はこれまで以上に『変化する』ことで活性化した学会運営を目指したいと思います。

法人化につきまして、疑問の点がありましたら、どうぞご遠慮なく事務局宛にお問い合わせくださるようお願い申し上げます。


@ 「見える化」プロジェクト “V-JAAS” 始動!  〜 経過の公開と意見交換の促進 〜

ニュース126号でお知らせしたように、昨年の1222日にV-JAASブログ
http://v-jaas.blog.so-net.ne.jp/ ホームページからもリンク)を立ち上げ、「見える化」プロジェクトで進めることやその経過を随時公開します。次ページの設立趣意書に掲げる「研究」「活動」「事業」についての意見交換の場でもあります。まずは、お気軽に覗いてみてください。(126号でお願いしたアンケートも引き続き受付中です)


A 参考資料:
「一般社団法人 シニア社会学会
 設立趣意書」


シニア社会学会は、従来は任意団体として活動してまいりました。しかしながら、10年間の学会活動を踏まえ、従来よりも実践的な活動を推進していくため、また2008年12月の公益法人制度改革に伴う新法の施行にあわせ、一般社団法人化を図ることが相応しいとの結論に達しました。そこでこの度、新法人としての下記設立趣意書を提案いたします。
                   記
日本の社会は、世界にほとんど先行モデルのない少子高齢人口減少時代を迎えています。
今、まさに既成の概念・制度にとらわれない新しい視点と発想が問われ、齢をとることに不安を感ずることなく生きられる「シニア社会」、年齢・性別にかかわりなく社会に参画できる「老若男女共同参画社会」の実現が求められています。そのためには将来に備えて着手しておくべき多くの課題があり、その解決に向けあらゆる世代が年齢・性別を超えて協力していくためには、シニア世代が果たすべき役割がたくさんあります。

第一に、シニア世代は、これまでに培ってきた経験と識見を活かして自立し、同時に市民・市民団体相互の連帯、次世代との連帯、地域行政や産業界との連帯を強化することに尽力しなければなりません。

第二に、この<自立と共生>という市民の生き方を支えるため、老若男女共同参画社会の実現、年齢差別のない就労の場の確保、社会保障制度の改善、次世代育成への支援、地域公益活動の活性化、多世代交流機会の確立など、さまざまな課題に取り組む必要があります。シニア世代はそのため、社会の仕組み・制度そのものを変革・創造していく必要性を、中心となって社会にむけて広く訴える立場にあります。

第三に、こうした共通課題の解決には、学界・市民活動団体・産業界・地方自治体などの関係者が、シニア世代と若者世代の枠を超え英知を結集しなければなりません。社会は、少子高齢・人口減少社会の未来に関心をもつ多くの人びとが、各々の専門領域を超えた知識・情報を交換しあい、自由に論議する場を求めています。

こうした自由な論議の場から利害が調整され、「新たな公共」を創り出していくことは、いまや時代の要請といえるでしょう。私たちは学問領域・職域・地域を超え、互いの小異を大切にしつつ、大同につくため連携して、大きなネットワークに結びつけていきたいと考えます。

この市民ネットワークの礎石・支柱となり、同時に市民社会の形成にむけて適切かつ積極的に発言し、政策提言しうる組織として、私たちは「一般社団法人シニア社会学会」の設立を構想しました。

 この学会の目的・特徴を要約すれば、以下のとおりです。
1.       「研究」、すなわち少子高齢・人口減少時代における地域特性も踏まえたシニア社会のあるべき仕組みづくりに関し、従来の常識の枠にとらわれず学術的成果にもとづいて、市民の立場から自由に発言し、政策提言しうる実践的性格の学会

2.        「活動」、すなわち学識・研究者と市民団体・産業界・地方自治体などの各界で活動している人びと並びに一般市民・個人が、理論と実践の組合せをとおして自由に交流・融合して、新たなエネルギーを創出し、活動するための開かれた学会

3.        「事業」、シニア世代と若者世代との連携を図るだけでなく、性・年齢その他すべての違いを超えて、地域を中心に人びとをネットワーク化し、市民社会形成のため具体的な事業活動に向けていくことをめざす学会
                                                 以上