JAAS News第101号をお届けします
        
シニア社会学会事務局 2008年2月27日

< もくじ >               ページ1.シニア社会学会特別セミナーのご案内                    1 2.「シニア社会学会シンポジウムin大阪」の報告               2 3,2008年度総会・第7回大会予告と会員による研究・事例発表募集要項   4.会員アンケート調査の経過報告(No.1/プレ調査について)                   3
5,研究会活動報告                                           3

6.シニアニュース(高連協・国際シンポジウム「シニアと環境問題」のご案内) 4                

1.シニア社会学会特別セミナーのご案内
(主旨)過去10年あまり日本政府は少子化対策を展開してきましたが、はかばかしい効果は上がっていません。結局、すべての人が、その人にふさわしいバランスのとれた生活を送れることが、長い目で見れば出生率の回復につながるということが明らかになったようです。厚生労働省において、長年、少子化対策を担当してこられた度山 徹氏から、少子化対策に関する最新情報をお話いただきます。お誘いあわせの上、奮ってご参加されるようお願いいたします。
テーマ  「少子・高齢化への対応
        〜ワーク・ライフ・バランスと次世代育成支援〜」

日 時   2008年3月10日(月) 18:00〜20:30
会 場   労協(日本労働者協同組合連合会)本部6階 大会議室 (Tel 03-6907-8043)
所在地   豊島区池袋3−1−2 光文社ビル 6F 
最寄り駅 東京メトロ有楽町線「要町」駅 5番出口下車 直進180m 徒歩3分
            JR池袋西口駅 下車 徒歩10

講 師   度山 徹(どやまとおる)氏
      厚生労働省社会保障担当政策統括官付参事官室 政策企画官
参加費  無料
申込先  シニア社会学会事務局(月・水・金オープン)へ
下記 E-mail または Fax
           Tel& Fax 03−5778−4728
           E-mail  jaas@circus.ocn.ne.jp

2.「シニア社会学会シンポジウムin大阪」の報告
日時:08年2月16日(土)13:00〜16:30 
会場:京阪淀屋橋ビル4F AP大阪

基調講演:高畑 敬一氏(シニア社会学会副会長・NALC会長)
演題:変貌する終末期ケアと終の棲家〜これからの人生のターミナルを如何に考えるか〜

○自分自身のエンディングを考えるシニアが増加(NALCのエンディングノート10万部)
PPK(ピンピンコロリ)は理想だが、最後の被看病・介護は避けられない。そのときの身の処し方(家族との関係・自宅か病院か)、費用はどうするのか、葬儀・お墓の準備等々。
○エンディングノートの記入箇所のトップは「尊厳死・安楽死・延命治療・ホスピスケア」。
○本人の署名・捺印があれば、医者の刑事責任が問われず、延命治療の中止ができるのか。

パネルディスカッション
袖井 孝子氏:コーディネーター(シニア社会学会会長・お茶の水女子大学名誉教授)
○現在、日本は「高齢化社会」というより「少子人口減少社会」「大量死社会」である。○自分の家で最後を迎えることが少なくなり「死ぬこと」が、日常から遠ざけられている。
○「死ぬこと」は、一過性の出来事ではなく、時間のかかるプロセスであり、残された家族に大きなインパクトを与え、あまつさえ、心ならずも、家族間に紛争の火種を残す場合もある。その辺をエンディングノート・遺言書できちんとするだけではなく、身の回りの不要なものは生前に整理して、死後に遺族に余計な手間ひまをかけさせないことを心がけることが大切。
○これからは、「生活の質」(QOL)の時代から「死に方の質」(QOD:クォリティ・オブ・デス)が問われる時代なのである。「終わりよければすべて良し」といきたいものである。
岡本 祐三氏(国際高齢者医療研究所所長)
○万人の希望である「突然死」は、稀であり、多数派は、長い時間をかけた「要介護型」。
4050年前に共有されていた死のイメージは静かな臨終(急速な脱水症状)であった。60年代以降「病院での死亡」が急増。「在宅死」と「家族への負担」は望まれなくなった。
○様々な延命手段の導入により、死のイメージが多様化し、「終末期」があいまいになった。
○死に対するイメージの多様化の結果、「延命措置忌避論」「安楽死・尊厳死論」が台頭する。
○「安楽死」を家族・親族の間で合意形成することは稀で医師に判断をまかせることが多い。
三木 秀夫氏(弁護士・三木秀夫弁護士事務所)
○「安楽死」は、苦痛を訴える患者を他者が安らかに死なせる行為。「尊厳死」は、回復の見込みがない状態で、予め示された本人の意思によって延命措置をせず、死を迎えること。
○「死期の切迫性」「激しい肉体的苦痛」「真摯な病者の要求」が、「安楽死」の3要件。
○「生前の意思」の問題点:@実効性の低下(時間の経過)A安易な「代行判断」B実際の病状の説明を受けたインフォームドコンセントではない。(自己決定の事務処理化)
○通常の遺言書は・自筆証書遺言(全文自筆)・公正証書遺言(公証人役場で作成)の2点。
吉田 太一氏(キーパーズ代表取締役)
○引越業の経験のなかで「遺品の整理」に困っている方が多いため、遺品整理専門会社を設立。
○自分の死後の遺品の整理を自らの意思で、生前に頼んでおきたいという依頼が増えている。
○周囲との関わりを頑なに受け付けない、極端に閉鎖的な中高齢者が、孤独死の予備軍となる。
○孤独死は男性・5565歳・民間アパート4畳半・エアコンなし・固定電話なし、が一般的。
   (大島・記)

3.シニア社会学会2008年総会・第7回大会開催のお知らせ
2008年度の総会・第7回大会は下記の日時にて開催いたします。詳細については追ってお知らせいたしますが、日程・会場が決定しましたのでお知らせいたします。
日時:2008年6月21日() 10:00〜17:00
会場:早稲田奉仕園スコットホール
 テーマ:「市民活動とシニアの役割」
「活動事例&研究テーマ発表」の募集(第2弾)
100号ニュースでお知らせしましたが、6月21日の大会で予定しております会員各位の活動事例または研究テーマについての発表エントリー募集を再度お知らせします。
(1)活動事例および研究テーマについて:未発表のもので、内容は当学会が指向するエイジレス社会の実現にかかわるもの。
(2)報告時間:15分以内を目安にお考えください。
(3)応募要領:報告要旨をA4用紙1枚にまとめ、3月21日(金)までに当学会事務局宛に郵送・FAXかE-メールいずれかの方法でお送りください。
※運営委員会での選考を経て、4月上旬頃にあらためてご依頼の通知をさせていただきます。応募多数の場合はお断りすることもありますのでご承知おきください。
(事務局鈴木・記)

4.会員アンケート調査の経過報告(No.1/プレ調査について)
創立から間もなく7年を迎えようとしている当学会は、会員も300名を超え、豊かな経験を持つ人材の宝庫となりました。この“学会の資源”を明らかにして新たな学会の方向性を検討するために、皆様のご意見やお考えをお聞かせいただくアンケート調査の実施を企画し、研究プロジェクトとして実施することとなりました。
全員にご協力いただく本調査の設計に先立つプレ調査として、E-メールアドレスをお持ちの205名の会員に、Web上でのアンケート調査を実施いたしました。質問項目は、「学会に対する関心およびこれまでの関り方」および「ご自身の関心や活動」など全6問とし、26日から13日(実際には18日)までの期間に、55名の方からご返事をいただきました。現在、回答結果の整理を進めており、取りまとめた概要は、6月の総会・大会にてご報告する予定です。今後、ホームページにも随時情報を掲載いたしますので、ご覧いただきたいと思います。
なお、研究プロジェクトの体制は以下のようなメンバー構成で進めております。
・プロジェクトメンバー(五十音順):荒井浩道(理事)、澤岡詩野、鈴木昭男、平野順子、森やす子(リーダー、理事)、山田嘉子
・オブザーバー:袖井孝子(会長)             (鈴木・記)

5.研究会活動報告
雇用における年齢差別研究会
新テーマ「団塊の世代の就業について(仮題)」の第1回研究会を下記要領で開催します。
日時:2008327日(木)18302030
会場:慶應義塾大学 三田校舎 研究室棟4446会議室
内容:労働政策研究・研修機構がまとめられた報告書『「団塊の世代」の就業と生活ビジョン調査結果 〜「団塊の世代」の就業・生活ビジョンのベンチマーク〜』から今後の研究テーマを絞り込むため、報告書を執筆されました労働政策研究・研修機構の浅尾裕主席統括研究員に調査研究の概要を私見も交えてレクチャーしていただきます。なお、同報告書は下記ホームページでご確認ください。
  http://www.jil.go.jp/press/documents/20070220.pdf(ニュースリリース)
  http://www.jil.go.jp/institute/research/2007/documents/030.pdf
(本文)

研究会に参加するか否かを問わず、団塊世代の就業について関心をお持ちの方は、是非ご参加いただければと思います。参加申込締切、325日(火)。参加申込は当学会事務局まで電話、ファックス、Eメールでお願いします。多数の方のご参加をお待ちしています。

6.シニアニュース
●高連協・国際シンポジウム「シニアと環境問題」のご案内
日 時  200837日(金)12:0017:00
会 場  有楽町朝日ホール  千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11F   
参加料  無
プログラム
高連協「環境問題に取組むシニア」12:0013:00
植林・棚田でシジミの養殖・菜の花プロジェクト・衣装のリサイクルとファッションショーなど
【シンポジウム】<日英同時通訳> 総合司会:後藤 美代子氏
開催挨拶:樋口 恵子氏(高連協共同代表)13:1013:30
1 「シニアは環境問題に取り組もう」13:3015:00
 司会:川名 紀美氏(朝日新聞論説委員)
(シンポジスト)
−より良い環境を子孫に引き継ぐー
 ○品川 正治氏(国際開発センター会長・経済同友会終身幹事・緑と水の森林基金審議会会長)
―京都議定書作成に携わってー
 ○浅岡 美恵氏(弁護士・気候ネットワーク代表)
―環境問題とスウェーデン市民―
 ○ハーダー・カルス氏(元スウェーデン通商大臣)
−上海万博が目指すBetter LifeBetter City
 ○孫 明磊氏(2010上海万博企画推進上級主管)
2部「高齢社会とシニア」15:2016:50
 司会:川名 紀美氏(朝日新聞論説委員)
(シンポジスト)
―みんなで幸せな社会を創ろうー
 ○堀田 力氏(高連協共同代表)
―老人が次世代に伝え、残す(敬老堂の三世代交流)−
 ○安 弼濬氏(大韓民国老人会中央会会長・元厚生大臣)
―スウェーデンの認知症の社会的ケアー
 ○ジェーン・カルス氏(スウェーデン認知症協会特別顧問)
―高齢社会のパイオニアとしてー-
 ○樋口 恵子氏(高連協共同代表)
主 催  高齢社会NGO連携協議会(高連協
お問い合わせ先:高連協事務局 電話 03-3542-0363