◆   JAAS News第116号をお届けします   ◆
シニア社会学会事務局 2009年3月18日

< もくじ >            ページ
1.2009年定時総会・第8回大会開催について           
2.第5回連続講座に参加して                    1
3.2008年度新入会員紹介                    
4.研究会のお知らせ                       2
5.「裁判員制度」公開講座のお知らせ              

1.2009年定時総会・第8回大会開催のお知らせ

 2009年定時総会・第8回大会の日程・会場が決定しましたのでお知らせします。万障お繰り合わせのうえ、ご出席下さい。
日 時 2009530日(土)10:0018:00
会 場 東京家政学院大学 4階 階段教室(三番町校舎)
     (千代田区三番町22番地)
       
      最寄り駅:JR・東京メトロ「市ヶ谷駅」下車徒歩10

第1部 定時総会、会員による研究発表他 10:0012:00
2部 第8回大会  13:0016:10
    テーマ『いつでも現役、いつまでも現役』
    基調講演:清家 篤(慶応義塾大学教授、シニア社会学会副会長)

    パネルディスカッション
第3部 懇親パーティ 16:3018:00

なお、詳細はゴールデンウィーク明け、皆様のお手元にお届けいたします。第2部大会は、一般の方も参加歓迎しますので、テーマに関心のある方をお誘い下さい。

2.第5回連続講座に参加して

講師:沖藤 典子氏(ノンフィクション作家) 「母の乱-無慈悲と慈愛」

塩谷 幸子さん(豊島区)

沖藤さんは、母上の死に臨んで始めて母上が婚家に置いて出た8人の異父兄姉と話す機会を得たが、再婚後に誕生した自分にとって大切な「慈愛に満ちた母」が、彼等には「無慈悲な母」と捉えられてきたことに戸惑う。真の母の姿を求めて9人の異父きょうだいが交流を重ねた末に、母上の背負い続けた悲しみや苦しみ・子どもへの深い想いを理解し、子等が持ち続けた母への強い思慕と誇りに気づく過程を、沖藤さんは様々なエピソードと共に語った。困難に遭遇して“押し負けを食らわぬ”激しい気性と出自に由来する強い自尊心を持つと同時に、家族のために“はっちゃきこいて”頑張る愛情溢れる母上だったとの評価を共有できた時、沖藤さんは、母上の“人間としての真”を確信するに至る。会場からの質問に対する沖藤さんのユーモアあふれる回答に笑いがこぼれるシーンもあり、なごやかで楽しい午後の一時であった。

苅田 智子さん(千葉市)

異父兄弟にあたる八人の子供を残して、男と家出した母親の過去を25歳まで知らなかったということ、そして残された八人の幼子たちは、一致団結して育ち、母親に恨みをもちながらも、深く愛して、父親のDVによって家出したことに理解を示しながらも、一年に一度集まり、みんなで大泣きして、大ゲンカとのことでした。
母上のこころの中には、父である安田貞謹の存在が大きく、その娘としての誇りがあり、教育者であった安田貞謹の自由民権思想が、母上の生きる上での支えになっていたと思われました。したがって、母上の家出の動機として、自尊感情が、夫のDVを許さなかったということであり、女が耐えることを当然とした時代に反逆されたことは、女性の生き方を見直す上で重要な点であると思いました。

伊藤 清美さん(桶川市)

親子とは夫婦とは家族とは何だろう。血のつながりだけでは語れない何かがあるような気がする。不幸の形が一つではないように、これらの形も多様なのが現実というものだろうと思う。女がひとりの人間として生きる為には「乱」を起こすしかなかった、ということだろうか。才覚ある女はそれ故、男の嫉妬や暴力に晒された。母であり、妻である以前に「自分は自尊心を持つひとりの人間である」というメッセージがひしと伝わってくる。残された子供達は母を恨み、自分達の不幸を嘆いたかもしれない。だが彼らも成長するにつれ、離別するしかなかった母の生き方を解し、プライドを持った人間として生きていくことを選んだ勇気に、母の愛を見たのではないだろうか。
時代に翻弄され、歴史の中に限りなく埋没させられてきた「女」というものに課せられた運命を思うと、「母の乱」は日本の女性史を語る一つの証なのではないかと考えさせられた。

3.2008年度新入会員ご紹介(敬称略)

20084月から下記の皆様が、シニア社会学会の会員として登録されました、ご紹介します。
帯刀益夫(東京)、野口圭子(東京)、岩崎昭男(埼玉)、小松泰信(岡山)、佐藤宏子(東京)、津田好子(東京)、入山 映(東京)、春日珠紀(長野)、松澤 宏(東京)、森本裕紀(東京)、柴田郁夫(埼玉)、近藤 勉(大阪)、今井洋子(東京)、藤本恵美子(埼玉)、渡辺純子(神奈川)、岡崎敬(神奈川)、長田攻一(埼玉)、岡田千加夫(群馬)、冨安兆子(福岡)、下田敦子(東京)、藤村宣之(埼玉)、榊原節子(東京)、山下末裕(東京)、三田資子(東京)、(財)ダイヤ高齢社会研究財団(東京)、㈱エンディングプラン(東京)

4.研究会のお知らせ

1第5回社会保障研究会座長:袖井孝子シニア社会学会会長
日 時  2009年3月26日(木)18:0020:30
場 所  日本高齢者生活協同組合会議室 (豊島区池袋32 光文社ビル6F
     電話:03-6907-8043 地図:http://www.kourei.roukyou.gr.jp/
報告者  定塚 由美子(厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課長)
テーマ  少子化対策と仕事と家庭の調和

(2)第6回社会保障研究会(座長:袖井孝子シニア社会学会会長)
日 時  2009年4月23日(木)18:0020:30
場 所  日本高齢者生活協同組合会議室 (豊島区池袋32 光文社ビル6F
     電話:03-6907-8043 地図:http://www.kourei.roukyou.gr.jp/
報告者  金 貞任(東京福祉大学 准教授)
テーマ  韓国の介護保険

(3)自立と共生の社会学研究会(座長:濱口晴彦シニア社会学会副会長)

濱口研究会第4シリーズ「自立と共生の社会学研究会」が開講します。今般、発刊されました濱口晴彦編著「自立と共生の社会学」をベースに、今日のシニア社会をより深く掘り下げ、広げて行こうというコンセプトです。「自立と共生の社会学」を読み解きながら、参加者は8章からなるテーマの中で関心のあるテーマに関り、研究会をゼミナール形式で進めます。各テーマの執筆者に研究会に出席いただき、コメントをお願いすることも考えています。

第1回は、日 時 2009417(金)17:0019:00
     場 所 早稲田大学高田牧舎 2階 人総研会議室
       テーマ ①濱口座長から新シリーズ開講のコメント
         ②テーマの分担について意見交換

なお、研究会参加費として200円徴収します。当日お支払下さい。
参加希望者はメール又はFAXにて事務局までご連絡下さい。担当は島村です。

5.「裁判員制度」公開講座のお知らせ(横浜立教会第2回公開講座)

横浜立教会は立教大学共催、神奈川新聞社、シニア社会学会後援で、5月から始まる話題の「裁判員制度」について公開講座を開きます。ご家族・ご友人お誘いのうえ、ぜひ皆様ご参加下さい。
日 時  2009年4月11日(土)14:0016:00
場 所  ホテル横浜ガーデン(JR関内駅下車、横浜スタジアム隣)
内 容 「あなたが裁判員になったらどうする!!」
     http://www.yokohama-rikkyo.org/


映 画  「裁判員になりました~ニュースの向こう側」上映後対談と質疑応答
参加費  500(当日徴収)
申込み  横浜立教会事務局あて、FAXかメールで4月4日までにお申込下さい
            
FAX 045-369-1716      E-mail : info@yokohama-rikkyo.org
問い合わせ先 幹事長・望月幸代(上記にFAXかメール)へ