JAAS News 第90号をお届けします
シニア社会学会事務局   2007 年 4 月 25 日

<もくじ>
2007年度定時総会・大会の概要のお知らせ   
連続講座〜人生 100 年時代をどう生きるか〜第 2 弾
研究会報告とご案内  
シニア社会塾(川村匡由武蔵野大学教授)報告  
シニアニュース  

1. 2007年度定時総会・大会の概要のお知らせ
今回の開催日は6月14日(木)です。場所は、東京・市ヶ谷の日本大学会館・大講堂、昨年同様懇親会を昼に設定、昼食懇親会費も含め、会費は 5000 円(非会員: 5500 円)です。テーマは『エイジング社会の幸福学』〜しあわせに生きるための、からだの健康、こころの健康〜 アトラクションに稲門グリークラブ・シニア会による合唱を予定しています。多数の方のご参加をお待ちしています。

□ 日時:2007年6月14日(木)午前10時から午後5時 30 分
≪第1部≫ 定時総会 <シニア社会学会会員のみ>     10:00〜10:30
□第2部からは会員以外の一般の方も大歓迎です。

≪第2部≫ 基調講演: 坂田壽衛氏(日本大学大学院教授、社会保険横浜中央病院名誉院
長、産婦人科医)     10:40〜12:00
『エイジング社会を健康で美しく〜男性と女性でこんなに違う』

≪第3部≫ 「昼食・懇親交流会」(研究会報告を含む)    12:00〜13:20

≪第4部≫ パネルディスカッション             13:20〜15:30 
『エイジング社会を健康でしあわせに生きる〜クォリティ オブ ライフの向上』
座長:
坂田壽衛氏(日本大学大学院教授)
濱口晴彦氏(創造学園大学教授、早稲田大学名誉教授)
パネリスト:
水野恭一氏(水野クリニック医院長)
田崎美弥子(心理学者・東京理科大学准教授)池添 素氏(教育学者・らく相談室長)
櫻井登美枝氏(看護師・社会保険横浜看護専門学校副学校長)

≪第5部≫ 会員による事例・研究発表(3名の方が発表予定)15:40〜16:40
≪アトラクション≫ 合唱 稲門グリークラブ・シニア会   16:50〜17:20

2.連続講座「人生 100 年時代をどう生きるか」(トーク&コンサート)・第 2 弾
今回は、「人生 100 年シリーズ」(トーク&コンサート)の第 2 弾です。さあご一緒に、これからの人生を考えていきませんか。多数のみなさまのご参加をお待ちいたしております。

“人と人とのつながり”の積み重ねこそが、心豊かな社会をつくる
〜人はパンのみにて生くるにあらず〜
濱口 晴彦(創造学園大学教授・早稲田大学名誉教授)

クラーク博士が1877年離日に際し、 Boys, be ambitious  といったのは有名な故事である。少年よ、大志を抱けと訳されている。少年よ、心豊かにかがやいて生きようという意味である。以来、人々はさまざまの課題を抱えながら、心豊かに生きられる社会を求めつづけてきた。では何をどうすれば「心豊かに生きられる社会」への道筋をつけることができるのだろうか。要点は「個人の中の社会、社会の中の個人」をどう考えるかだ。この「 」の内容をめぐるキーワードは「自ら」「やさしさ」「地域社会」である。

進士(旧姓:橋本)祐子氏によるピアノ演奏(ご自身の作品・および即興演奏)

1.日  時  2007年5月11日(金) 午後3時〜午後5時(開場:午後 2 時半)
2.会  場  (財)早稲田奉仕園  リバティホール
〒 169-0051 東京都新宿区西早稲田 2 丁目 3 − 1 . 電話番号 : 03-3205-5411.
地図はこちら ? http://www.hoshien.or.jp
3.定  員  80 名
4.参 加 費  会員 1000円  一般 1200円
(全 8 回前払いの場合は、会員 7000 円、一般 8000 円)
5.主  催  シニア社会学会・(財)早稲田奉仕園
6.後  援 (株)タムラプランニング&オペレーティング
7. 申し込み  参加ご希望の方は、 FAX または E-mail でお申し込みください。
シニア社会学会・事務局 電話& FAX : 03-5778-4728
(オープン:月・水・金)   E-mail : jaas@circus.ocn.ne.jp
会員以外の方のご参加も歓迎いたします。

「人生 100 年時代をどう生きるか」トーク&コンサート参加者からの感想  
第1回「対談・轡田隆史 VS 加藤 仁」(コーディネーター・都築賢二) 

厚労省によると昭和 45 年( 1970 )の 100 歳以上は 329 人、平成 12 年( 2000 )は 12,256 人と急増し“人生 100 年時代”も夢ではなくなっている。サラリーマンの定年退職後について、轡田さんは、まじめな人が 100 歳を生きるのは大変である。金をかけずに時間をうまく使って遊べる「不良老人」へのリセットを強調された。加藤さんは、定年後の自由時間と現役時代の働いた時間は約 8 万時間で同じである。定年後はモチベーションが低下しがちで、趣味を生きがいにするにも時間がかかる。定年後は大胆に時間を使うことが大事と述べられた。2人の主張が違い、同じ結論が出ないところが対談の面白さであり、参加者の想像力を高めた内容だったと思う。コンサートでは、早稲田大学グリークラブ・シニア会の若々しい歌声に会場には大きな拍手が響いた。定年後は家族や地域社会とのつながりを考え直し、新しい関係を創り上げていく時期でもある。人生 100 年を豊かに生きるには家族・社会とのハーモニーが大切だと感じたひとときであった。 (会員・駒宮 淳子記)

3.研究会報告とご案内
(1)雇用における年齢差別研究会
平成 19 年 4 月 16 日(月) 18:30 〜 19:30  慶應義塾大学 三田校舎 研究室棟 4 階 449 会議室 で会員 2 名の参加で開催しました。今回のテーマは前回の研究会で清家座長より課題とされたシニア社会学会総会でのアンケート調査結果報告書作成プロセスの検討でした。その結果、ゴールデン・ウィーク後を目途に第一次の報告書を作成し、それを基に検討を加え、完成目標を 5 月末とすることで決定しました。次回の研究会は総会後となる予定です。詳細につきましては、後日連絡させていただきます。  (黒澤 記)

(2)第26回社会保障研究会
第 26 回研究会は、 3 月 2 8日 ( 水 ) 18:00 〜 20:30  お茶の水女子大学 生活科学部本館315号室にて吉武民樹氏(財団法人児童育成協会理事長)を講師に迎え、「社会保障の今後と年金負担」というテーマで開催されました。
@スウェーデン・デンマークでは、社会保障費のための直接税・間接税の賦課が広範に行われており、フランス・ドイツ・イギリスでも間接税を中心にかなりの賦課があるが、アメリカ・日本では極めて限定的である。A社会サービスの提供主体は a )国・地方公共団体 b )社会福祉法人・医療法人・公益法人・ NPO 法人などのボランタリィ・オーガニゼーション c )開業医などの個人の専門家 d )民間企業 e )ボランティア f )ネイバーフッド(家族・友人・隣人)によるネットワークであるが、このなかで、ネイバーフッド・コミュニティ・地域をいかに考えるかは、今後の日本の経済社会全体にとっても、社会サービスにとっても、本質的な最重要の課題である。(大島 記)  

(3)老若共同参画社会研究会
第 19 回「老若共同参画社会」研究会開催報告
第 19 回「老若共同参画社会」研究会は、 4 月 20 日 ( 金 ) 早稲田大学高田牧舎 2 階人総研会議室で 13 名が参加して開催されました。テーマは、『シニアからの 52 の提言』についての参加者全員からの報告と討議でした。

第 20 回「老若共同参画社会」研究会のご案内
第 20 回「老若共同参画社会」研究会は、 5 月 18 日 ( 金 )17 時から 19 時まで、早稲田大学高田牧舎 2 階人総研会議室で行ないます。テーマは、「参加者全員による討議―その 2 」として前回に引き続き、『シニアからの 52 の提言』の再整理と深耕を図ります。なお、前回欠席の方は、当日までに「シニアからの 52 の提言」を自分なりに分類し、A 4 サイズ 1 枚にまとめてご持参ください。問い合わせ等のある方は、事務局当研究会担当の島村までお願い致します。(島村 記)

4.シニア社会塾 第9回 「老若共同参画社会はボランティアのフロンティア」報告
シニア社会塾「老若共同参画社会はどういう社会か」シリーズ最終回の第 9 回は、 3 月 24 日 ( 土 ) 、川村匡由氏 ( 武蔵野大学教授 ) を講師としてお迎えし、日本大学会館 ( 本部 ) で開催された。報告の概要は以下の通り。
講義はパワーポイントを駆使して、老若共同参画社会とボランティアについて 3 つのテーマで解説があった。第 1 のテーマは「課題とその考察」について 第 2 のテーマは「今後のシニア社会学会に対する提言」について そして第 3 のテーマは「 武蔵野市 における講師自身の地域活動内容」についてであった。冒頭に、老若共同参画社会は、@国民総ぐるみでの対応が必要であること。A団塊の世代が世直しの役割を担うこと。B男女共同参画社会へのアンチテーゼではないかと考えること。と述べられた。
第 1 のテーマの「課題とその考察」については、 4 つの課題が示されたが、課題 1 は、ボランティアの成否についてとして、ボランティアが成り立つかどうかがポイントであり、日本ではボランティアに対する価値観が不足していること。日本人のライフスタイルの中でまだボランティアは確立されていないと指摘された。課題 2 は、ボランティア活動の啓発についてであるが、現状甚だ不十分であり、実態は情報過疎であること。老若共同参画社会は都市型と地方型 ( 過疎型 ) の両方で考える必要があり、東京を見るだけでは駄目である。課題 3 は、情報基盤の整備である。ボランティア活動には先ずブランチ ( 支部 ) を持ち、きめこまかな地域密着が大切であること。地域が遠のいているのが実態である。地域とは共存共栄で運命共同体でなければならず、組織化が大切であること。課題 4 は、情報共有のあり方についてであり、お互いの情報共有のシステム化が大切であること。無償ボランティアは日本の文化では育ちにくいことから、有償ボランティアを普及させていくのが都市型ボランティアとしていいのではないかと考えること。地域では場の確保が大切であること。またメリットの啓発が重要であること。メリットが分からないと会員も増えない。
第 2 のテーマの「今後のシニア社会学会に対する提言」については、@都市では老若共同参画社会の実現は難しいと思われること。従って都心で実践するのではなく、活動のやり方の見直しも必要ではないか。A老若共同参画社会が実現した時にメリットは何なのかが分からないとモチベーションが上がらないことである と述べられた。
第 3 のテーマは、「講師ご自身の地域活動」について紹介された。来年 4 月から 西東京市 民から 武蔵野市 民になるが、 3 年前から地域活動の研究会を立ち上げた。ソフトとハード両面が成立したため、 武蔵野市 にモニターハウスを建設することになり、来年 2 月完成する。地域福祉の実践である。異業種交流であり、自分の人生を考えることにもなると考えている。課題としては、資金はなんとかなったが、問題は地域住民の賛助の確保である。
最後に、最大のテーマはボランティアの人口を増やすことであるとくくられた。 ( 島村 記 )

5.シニアニュース
新刊書紹介『定年後』岩波新書・加藤仁氏著(ノンフィクション作家、当学会理事)
25 年以上にわたって定年退職者 3000 人以上の取材を続けてきた著者は、定年後豊かに生きる個性的なシニアの群像を紹介しながら、定年後の選択肢が無数にあることを提示している。定年後 80 歳まで生きるとすれば、余暇時間(自由時間)は約 8 万時間あり、サラリーマン現役時代の労働時間に匹敵する。定年退職者の特権は、時間を大胆に使えることであると言う著者は、「自分らしく躍動することが第一、収入は二の次」という『定年文化』が各地に花開きつつあるという。しなやかに・おおらかに自分らしく生きることが要諦であると示唆してくれるとともに定年後の生き方のヒントに溢れている。   ( 2007 年 2 月発行、定価 740 円+税)                (都築 記)


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