JAAS News第108号(総会・大会特集第3号/最終回)をお届けします
                シニア社会学会事務局 2008年8月11日


     < もくじ >                     ページ
1.第7回大会における参加者の感想
(1)「会員による活動事例・研究発表」の感想@           
(2)「会員による活動事例・研究発表」の感想A          
(3)シニア社会学会2008年度総会・第7回大会に参加して      2
2.総会・大会へのアンケート結果の報告(要旨)          2
3.研究会からの報告とお知らせ
(1)雇用における年齢差別研究会                 3
(2)濱口研究会第4講開催のご案内                3
4.事務局から                          3

1.第7回大会における参加者の感想
(1)「会員による活動事例・研究発表」の感想@  高橋 昌子氏(神戸親和女子大学・文京区)
 4氏による事例・研究発表は、内容が多彩なためか発表時間が足りない様子であった。まず、堀池氏は、シニアの特質と役割を地域回帰へのネオ・ローカリズムの道として説明し、シニアが地域人・プレーヤーになる成功例を挙げた。地道な活動でも、メーリングリストやインターネットを活かした行動等、新しいシニアプレーヤーとして大いに期待できると感じた。山之口氏の発表は、オーラル・メソッドによる聞き取り調査から「地域における男性シニアの子育て支援活動」を3タイプに分類した。調査内容や方法、考察についての説明不足もあったが、「高齢者は高齢社会を支える可能性をもった貴重なマンパワーである」という視点が私の研究テーマとも重なり、今後の研究に関心がある。苅田氏は政治システム、市場システム、インフォーマルシステム、そして、自然システムの図を用いながら総合社会システムの活用を提唱した。具体的な成功事例の説明が省略されたことは残念であった。最後の神保氏は、「国際交流夏休み子どもキャンプ」の事例発表であり、若者や留学生を巻き込んだシニアの活動として今後も注目したい。4氏がシニアプレーヤーのパイオニアとして、また、本学会の貴重なマンパワーとして活躍されていることを確信した。

(2)「会員による活動事例・研究発表」の感想A  大川 祐弘氏(世田谷区)
・堀地 喜一郎氏の発表
 シニアSOHOで会員200名が6年間で地域協働プロジェクト45件手がけた実績を持つ。シニアが地域課題:環境、食と農、情報化、地域活性化、子育て支援等の解決方法をナビゲートし、伝承する可能性を示して、興味を引いた。

・山之口俊子氏の発表
 地域における男性シニアの子育て支援活動は生きがいになっているかを中心に新しい視点を追求した。次世代に発展を託して子供たちの健全な成長を願い、そのための援助を惜しまない。シニアにとって子供の交流は人生の価値観を活動に反映させることにより、改めてその人生を肯定する作業となっていることに着目し注目された。

・苅田智子氏の発表
 政府は子育て支援に予算を増やせない。企業は国際競争の厳しさの中で従業員の福利厚生費や育児休業制度の充実は難しい。さらに地域社会の人間社会の人間関係も希薄になっている。そこで八方ふさがりの社会の中で、解決策として、総合社会システム:政治システム、市場システム及びインフォーマルシステムといわれる地域社会の連携と統合で前進したいという主張を具体的に進めたいと思いました。

・神保桂子氏の発表
 私シニアは、新潟県少年自然の家で子供たち・若者・留学生と一緒に活動し、ふれあい、学びあい「国際交流夏休み子供キャンプ」を実施した。大学生は子供たちと接してリーダーの自覚を持った。小学生は、家族以外の大学生、大人たちと親しくふれあい、留学生を通じて、アメリカ、ドイツ、タイ、ニュージーランドの国々を知った。シニアは若さと元気を貰い、喜びを味わい、生きる喜びは私にも伝わってきました。

(3)シニア社会学会2008年度総会・第7回大会に参加して 吉田 太一氏(キーパーズ社長)
2月の16日のシニア社会学会シンポジウムin大阪で初めてシニア社会学会の方々とお会いし、団体会員として参加させて頂く事になりました。まだ参加回数も少なく、当会の趣旨や目的が少しずつ分かってきたところで御座います。
今後出来るだけ積極的に参加させて頂き、諸先輩方の貴重経験やお考えを勉強させて頂ける事を楽しみにしておりますので宜しくお願い致します。
私は、孤独死から見えるそれぞれの生きざまをテーマにして、色々な形で世間へ予防や対策の提言を行っております。
各講師様のお話では、どう生きるかまた生きがいを感じるためには何をすべきか、自分たちには何ができるか、それぞれ軸は違っても共通のポイントだったと感じました。また実行している方々のお話は大変参考になりました。懇親会でも皆様とのお話では、ざっくばらんで楽しい時間を過ごす事が出来ました。今後、若者の会員増加にお役に立ちたいと思います。

2.総会・大会へのアンケート結果の報告(要旨)
(1)基調講演「シニア市民活動と研究者への期待」(田中尚輝氏)について
73%の方が大変有意義な内容であったと評価して頂きました。特に当学会の今後のあり方に役立つヒントがあったとの声が目立ちました。
(2)パネルディスカッションについて
内容への評価は83%の方が高く評価しておられましたが、運営について時間的な配分など工夫があっても良かったのでは、とのご意見がありました。
(3)会員による活動事例・研究発表について
いろいろな活動をしていることの実感が持てて良かったとの声が多かった一方、こちらも時間配分の面で一考を要するとの指摘もありました。
(4)その他
他に大会の運営に対しても貴重なご感想をお寄せいただきました。また、あわせて学会の運営に対しても大変に参考になるご意見を多数いただきました。いただいたご指摘につきましては、今後の学会運営に参考とさせていただきます。ご回答をお寄せいただいた皆さま、本当に有難うございました。(回答は、33名の方からいただきました)            (事務局 神波・記)

3.研究会からの報告とお知らせ
(1)雇用における年齢差別研究会
新テーマによる第3回研究会を2008728日(月)18302100の間、慶應義塾大学三田校舎研究室棟4446会議室(共同研究室A)で会員14名の出席で開催しました。今回のテーマは「団塊世代を中心としたコミュニティー・ビジネスのあり方と課題」について今回と次回の2回に亘りNPO法人シニアSOHO三鷹・顧問、当学会理事の堀池喜一郎氏にご報告いただきました。今回はコミュニティー・ビジネスについて理解を深めるということで、全般的なお話をしていただきました。熱心な質疑応答も展開され、如何に当テーマに関する関心が高いかが伺えました。次回の開催日時等は追ってご連絡します。            (事務局 黒澤・記)

(2)濱口研究会第4講開催のご案内
濱口研究会の第3講は、7月18日(金)に18名が参加して開催されました。濱口座長の著書「生きがいさがし」の第U編白い手のジレンマ(p.60113)のレジュメによる講義でした。
第4講は、下記の通り開催いたしますので、ご案内いたします。
1)開催日 9月19日(金)17時〜19時
2)場所  早稲田大学高田牧舎2階・人総研会議室
3)テーマ 濱口座長の著者「生きがいさがし」のレジュメによる講義と語り合い(第4講)
なお、レジュメは当日配布(200円)されます。多数の方の参加をお待ちしています。お問い合わせ等のある方は、事務局島村までお願いします。 (事務局 島村・記)

4.事務局から
3号にわたってお届けしてきました総会・大会のレポートも今回をもって最終回となりました。
なお、運営委員会では今後の学会活動充実のため、2つのプロジェクトを立ち上げました。

一つは学会全体の対外的有意性向上のためのNPOなど「法人化」の検討。もう一つは、今後の学会運営をさらに安定的にサポートしていくための事務局業務と人員補強など体制の見直し。
それぞれの経過報告などについてはHPにも掲載いたしますのでご参照ください。

◆NPO法人化に関する検討会からのお知らせ
助成金申請や事業委託に対応しようとする場合、法人格の有無が問われることから、袖井会長の提案により「NPO法人化に関する検討会」が発足しました。この検討会の目的は、法人化することのメリットとデメリット、問題点などを検討するところにあります。従って、結果によっては法人化をやめることもあります。検討会では、NPO法人に詳しい方々からお話を伺い、それを元に検討を進め今年度中に結果をまとめる予定です。
1回検討会を2008918日(木)1800から、早稲田大学 高田牧舎2階 人総研会議室にて開催し、川村匡由氏(理事・運営委員)から全般的なお話を伺います。
参加希望の方は、検討会リーダー・森やす子(moriyasu@ied.co.jp)までご連絡ください。