JAAS News第37号をお届けします。  
                                          シニア社会学会・事務局:2003.8.27.

1.諸研究会の報告
□ 次世代育成支援研究会:第7回例会(座長:沖藤典子理事)
8月7日(木)午後6時から労働者協同組合連合会会議室において17名の参加で開催されました。
今回は、子育て・育児休暇について、川上一郎さん、田口まりさん、杉浦美穂子さんの3人から、当事者としての体験談を発表いただきました。
◆川上さんは中央官庁にお勤めで、育児休暇の取得に到る経緯と、子育ての苦労も体験をとおして語られた。職場で最初の育児休暇取得者であったが、その後継続はなされていない。しかし一石を投じたことで有給は取りやすくなるなど、きっかけを作ることが出来た。また、育児休暇の現実は、夜もまともに睡眠が取れない、昼も子供の雑用に振り回されるなど、子育ての苦労を実感したが、子供とのコミュニケーションが密になるなど、プラスの面も多々あった。
◆ 田口さんは保育士の立場から、子育てに関するアンケートをもとに、母親の悩みなどを語った。育児に困ること・辛いことでは、日常の精神的・身体的負担(体調が悪くても育児は休めないなど)64% と大きな負担となっている。また、育児中にして欲しいことの一番に上げられたのが、子供を連れて行けないときに「子供の面倒を見て欲しい」が52%と半数を超えている。更に、「育児中でも、趣味や外出など自由な時間が欲しい」が何と81%を占めている。0〜2歳半くらいまでは、在宅保育がほとんどであり、この時期の母親への支援が不可欠である。
◆ 杉浦さんは仕事・出産・子育て・保育所などの現実体験を語る。現在お嬢さんは5歳。まず、産後間も無い子供と2人きりでマンション生活、ほとんど言葉を発しないので、言語障害になってしまう。また、赤ちゃんの扱いに不慣れなことからくる行き場のないイライラ。自分の母親と同居したが、子育て方法などの違いや、母への負担など心配が堪えない苦労。男女平等といわれるが、現状は、30年前の母親の時代と変わっていないように思う。
以上の発言を受けて、参加者で質疑、意見交換がなされた。子育てなど次世代支援はいろいろな意見があり、1つにまとめるのは大変難しい。
次回は、育児休暇制度に関する調査研究報告書(東京・富山で実施)をもとに地域差などを分析、沖藤座長からの報告と厚労省が主催している「次世代育成施策のあり方研究会」での検討内容状況報告。
日時:9月18日(木)午後6時から日比谷 生命保険分化センターで開催されます。
              (武者・記)

□ 望ましいシニア像研究会:第8回例会(座長:濱口晴彦理事・運営委員長)
7月29日(火)早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室で、16名が参加して開催されました。今回は 今井純子氏(当学会会員)によるテーマ「望ましいシニア像〜こころも望ましい?」のリポートが行なわれました。
今井さんは、老年期は発達心理学的にはどういう時期であるのか、また老年という時期の社会的貢献についてはどう考えればよいのかという問題意識にそってまとめた資料により解説がありました。そして「望ましいシニア像」は、固定されるものではなく現代を生きる私たちを取り囲んでいる‘歴史・経済・文化などの履歴と現象’に関わりながら、そして個々のもつ履歴を省みつつ生かしながら、考えてゆくものだと主張されました。その後参加者から活発な意見交換がありましたが、濱口座長からは、E.H.エリクソン説はうまく出来ているが難しい点もある。老年期を英知としているが他の期にあってもよいのではないか。いま生きることは難しい時代であるが、老いることは価値のある時代としなければならない、との感想が述べられました。
次回第9回「望ましいシニア像」研究会は、来る9月29日(月)17時から早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室で開催されます。テーマは、村岡昇氏(会員)から「望ましいシニア像について」と題する提言が行なわれます。どうぞご期待ください。多くのみなさまの参加をお待ちします。
なお特記事項として、当研究会では第9回の研究会までを第1ステップとして、研究会報告書を作成することになりました。全員参加の報告書にしたいという濱口座長の意向で、当研究会に1回でも参加された方からも感想・要望・提案の寄稿をいただきたいと考えています。ご協力の程よろしくお願いします。           以上 (島村・記)

2.学会誌・報告書等の頒布について
シニア社会学会誌「エイジレス・フォーラム」や「雇用における年齢差別研究会」報告書が完成し、会員のみなさまには既にお手元に届いていますが、さらに部数が欲しい方(非会員を含む)には下記により頒布いたします。また新しい発行冊子も紹介・斡旋頒布しますので、いずれも当学会事務局までメールまたはFAXでお申込み下さい。代金は郵便振替でお願いします。
 〒107-0062  東京都港区南青山5-14-1   グリーンビル301号
     シニア社会学会・事務局
   TEL & FAX:03-5778-4728  e-mail:jaas@circus.ocn.ne.jp
   郵便振替 口座番号 : 00110-2-123821 シニア社会学会
□「エイジレス・フォーラム」 シニア社会学会2003年6月発行 A4版
         100ページ: 会員・非会員とも1部 1,500円(送料込み)
□「雇用における年齢差別研究会」報告書 シニア社会学会2003年6月
        発行A4版 60ページ : 会員・非会員とも1部 500円(送料込み)
□「市民活動を支える社会的有用労働」(財)勤労者リフレッシュ事業振興財団・勤労者
       ボランティアセンター(Tel:03-5322-6667、Fax:03-5322-6110) 2002年3月発行
        A5版124ページ:会員500円・非会員1,000円(送料込み)
□「ナルク・エンデイングノート」(別名「家族宛の遺言状」)
      NPO法人NALC(ニッポン・アクティブライフ・クラブ、当学会団体会員)発行
     (「もしものとき」に備えて自分の終末期についての希望を家族に書き残しておく
   ノートには介護、看病、延命治療、葬儀、墓などについて希望を書き込める欄、
   財産や加入している生命保険の一覧表や、知人・友人の住所録などもあり、家
   族への便宜も図っている) :頒価一部1,230円(税・送料込み)。
       申込期限9月30日まで・申込先:シニア社会学会事務局まで

3.学会ホームページにリンクする会員の募集
学会のホームページは、今年2月の公開以来、約1,300名の方々にご覧いただき、有難うございました。これからも、会合の報告や予告など、学会の活動状況を迅速に掲載していく予定です。
ところで、学会のホームページは、これまで一部の団体会員のみにリンクしておりましたが、会員の活動状況の紹介、会員相互の交流の場としてご利用いただけるように、このほど「個人会員」の方々にも相互リンクしていただくことにいたしました。ご希望の方は、URL(ホームページアドレス)をE-mailで当学会事務局ホームページ担当までご連絡ください。
なお、相互リンクではなく、学会からのリンクのみを希望される方は、その旨をお書き添えください。貴ホームページの内容については原則として自由ですが、当学会の趣旨に照らしてお断りする場合もありますので、予めご了承願います。

4.会員情報紹介
永井久美子会員から次のご案内がありましたので、お知らせいたします。
東京シルバーケア研究会は、税理士、弁護士、司法書士、社会保険労務士、ケアマネージャー、行政書士等の専門家グループで構成し、成年後見制度の普及等の活動を目的としており、今回はNPO認証1周年記念とし次のセミナーを行いますのでご案内します。
◇テーマ《知って安心 成年後見制度とNPO法人について》
◇日時:平成15年10月5日(日)午後1時30分〜5時 ◇場所:中野サンプラザ(JR中央線・地下鉄東西線・中野駅北口から徒歩1分)       
◇申込先:照会先:[メール:nagaikai@apricot.ocn.ne.jp FAX:03-5347-5359  
電話:03-5347-5358]先着:50名 会費:1,500円。◇詳細は上記へお問合せください。

5.会員訃報:謹んでご冥福をお祈りします
小坂雄二氏(東京)8月