JAAS News第42号をお届けします。  
                                     シニア社会学会・事務局:2003.12.15.

1.シニア社会開発機構プロジェクトが設置されました
シニア社会開発機構は、シニア社会学会の学術活動を多面的に支援する仕組みとして、学会創立時に「シニア社会研究機構」の名称で構想され、その立上げが待たれていました。本年6月の総会の議案「2003年度活動計画」『 [シニア社会開発機構](仮称)の発足と実践 』のなかで「従来の学会常識の枠をこえるような実践的活動、あるいは学会の学術研究を多面的に支援するための活動などを展開し得る機構を、学会内に設けNPO法人化をめざします。」とし、「開発機構」の名称で具体化することとなりました。
11月末に開かれた理事会で、ひとまず「シニア社会開発機構プロジェクト」を設置し、このプロジェクトの運用を通して経験を積み、NPO法人化の体制整備を図って行くことが承認され具体的事項については運営委員会に一任されました。

□機構の目的(担当する業務・事業)は次のとおり
(1)従来の学会常識の枠にとらわれず、シニア社会の望ましい仕組みづくりのために、その学術的成果に基づいて、より自由に発言し行動に結びつけ、実践的業務・事業を担うことを目的とする。
(2)学会の学術活動の成果を多面的に応用・展開し、学会のめざすところを車の両輪として実現に結び付けていくことにより学会を支援する。
※学会として社会に発言し、政策提言を行なうことまで機構に移管することは考えていません。機構は、学会として対応しにくいテーマ、機動的に対処できないものや機構が担当することでより実践的に取り組めるものについて、学会を補完し、支援するところに特徴があります。

□プロジェクトの当面の具体的活動テーマ
実現可能性・当学会としての独自性などの観点と短期・長期の視点から検討を加え、当面次の3点に絞り込み、機構の可能性を検討し、具体化をめざします。
@ シニアスタート・プログラム(シニアの地域デビュー支援プログラム)
A 老若男女共同参画社会キャンペーンの前段としての“シニア甲子園” (仮称) 
B シニア社会白書

□プロジェクトへ参画される方を募ります
いずれにしても当学会は人材の宝庫といわれていますように、学術活動を多面的に展開を図るところにビジネスチャンス、非営利ではあっても収益事業の可能性があります。経験豊かな会員のみなさまのサポートをお願いします。
このプロジェクトへの参画を希望される方またはお問合せは、下記の事務局へ。
E-mail: jaas@circus.ocn.ne.jp  または ktsuzuki@mub.biglobe.ne.jp  (都築)  
電話&FAX:(03)5778-4728              (都築・記)

2.木村尚三郎さんの講演とタウンミーティングは、今週の土曜日(20日)です
□12月20日(土)13時30分から、女性と仕事の未来館(港区芝5-35-3、
電話:03-5444-4151、JR田町駅から徒歩3分)で、開催します。
□第1部 木村尚三郎氏(当学会会長・静岡文化芸術大学学長)による
講演「孫から、日本を変える〜〜2030年の日本」。
第2部 識者とのタウンミーティング(詳細は前号で紹介)
□参加費:会員・一般:1000円、学生・院生:500円
申込方法:シニア社会学会事務局宛 FAXまたはe-mailにてお申込下さい。
(氏名・住所・電話番号・年齢・性別・職業を明記)

3.学会誌「エイジレスフォーラム」第2号への「会員の声」を募集します
学会誌「エイジレスフォーラム」第2号の編集が始まりました。創刊号では、「会員の声」欄に、会員の皆様からご自分の体験や、学会に対する期待、思いを投稿いただきありがとうございました。来年6月発行予定の2号にも会員の皆様の体験やご意見、学会に対する期待などを投稿いただき「会員の声」に掲載させていただきます。つきましては、次の投稿要項にもとづき、多数ご応募くださるよう投稿をお待ちしております。
投稿要項:文字数800〜1000字 ワードで作成の場合は42字×35行・11ポイント・1段。第一次公募〆切、2004年1月末。投稿いただきました原稿はお返しいたしません。また、掲載に当たっては編集委員会にて選考させていただきますのでご了解下さい。 (武者・記)

4.研究会報告とお知らせ
□第11回「望ましいシニア像」研究会
11月28日(金)早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室で、17名が参加して開催されました。今回は大島洋氏(シニア社会学会会員)から『「生産性」の時代から「人間性」の時代へ』と題してリポートが行なわれました。大島さんは大手印刷会社の企画部門に40年在籍されており、そのキャリヤを基に蓄積した持論を経済の動向を中心にリポートされました。ポイントとして、いま社会は大激変期であるとの前提に立ち、@経済成長は終わった。頭を切り替えよう。それが構造改革である。A個を確立しなければいけない。個の時代である。B何か大切なことを忘れていませんか。「人間性」である。C成長しなくても豊かになれる。中身を考えよう。Dこれから
は市場原理ではなく、人間の生活基盤・生き方である。E共同体をもう1回作り直そう。若者は時代の変化に適合しており、時代を先取りする。シニアは頭が硬い。とかなり厳しい指摘がありました。
締めくくりに濱口座長から、比較検討する場合の切り口として、「統合の領域と安定性」のマトリックスの説明がありました。
 次回の第12回「望ましいシニア像」研究会は、12月19日(金)17時から早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室で開催されます。
テーマはみなさまからご寄稿いただいた研究会報告書の意見交換会(合評会)です。事前に報告書を送付しますので、お目通しのうえ出席願います。なお、会員以外の方の参加も結構です。お誘い合わせの上ご参加下さいますようご案内致します。  以上 (島村・記)

□第2期「雇用における年齢差別研究会」
              (座長 清家篤慶應義塾大学教授・当学会副会長)
11/25に第2回が開かれ参加者2名によるレポートが披露されました。企業の高齢者雇用指標の設定について様々な要件の意見交換、およびこの問題について、経営者団体や労組側からのホンネのヒアリング機会の必要性などが検討を経て、次回は指標内容の更なるイメージの具体化について参加者2名のレポ−トに基づき進めることとして閉会しました。
次回は1/28(水)、慶應義塾大学構内:18時から開かれます。参加希望は事務局までお申出ください。                (鈴木・記)

□ユニバーサル・デザイン・スタディ12月例会
第18回UDS定例会が、12月2日(火)青学会館で、15名の会員が出席して行われました。
1.商品開発チームは、来年のコクヨ・アワードに、今年同様、チャレンジすることにしました。12月1日から来年2月29日までにエントリーし、3月末に提出します。
2.施設チームは、11月24日(祭)に、巣鴨の下調査。この巣鴨とUDで進んでいる大山商店街のフィールド調査を近々実行することにしました。テーマはシニア向け商品企画・街づくり。
次回予定:1月15日(木)於:六本木・みなとNPOハウス(来年からは第3木曜日となります)
                     (大野・記)

5.新刊書紹介
瀬沼克彰著「余暇事業の戦後史〜昭和20年から平成15年まで」(学文社03年11月刊)267ページ:瀬沼氏は当学会会員、桜美林大学経営政策学部教授・生涯学習センター長で日本余暇学会会長。
それぞれの人生の持ち時間のうち、学習・仕事・生理的必要プラス余暇の四つのうち、余暇時間は確実に増大傾向にある。この数量的な増大はそれぞれの人生にとってどのような影響を与えることになるかを、1945年以降を五つのステージに分け、章に割り振り詳しく述べている。
著者があるとき「今のうちに1枚でも多く原稿を書いておきたい」と、ふと洩らしたつぶやきを耳にしたことがある。この方面の第1人者である著者の熱い思いが結晶した最新の1冊である。シニアは言うに及ばず、行政担当者、社会活動をしている人びとにとって掌中にあって安心、読んで有益な力作である。     (濱口 晴彦)

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