JAAS News 第89号をお届けします
シニア社会学会事務局   2007 年3月 2 6日

<もくじ>
連続講座〜人生100年時代をどう生きるか〜オープン第1弾
研究会報告とご案内
シニア社会塾(宮本みち子教授)報告 

1. 連続講座「人生 100 年時代をどう生きるか」 (トーク&コンサート) ・第 1 弾
「人生 80 年時代」の到来を謳ったのが 1984 年度の「厚生白書」。それから 20 年余、いまや、「人生 100 年時代」も夢ではなくなりました。当然、私たちのライフサイクルにも大きな変化が起こってきます。現役時代に匹敵する長さのリタイア後の人生をどう過ごすのか。自分自身や伴侶の身体機能の衰えをはじめ、さまざまな変化や出来事も身の回りに生じます。加えて、私たちをとりまく生活環境の変化のスピードも、一昔前とは比較になりません。こうしたさまざまな環境変化に対応していくためにもその変化をきちんととらえ、自分の生活の中にビルトインして行く努力が欠かせません。万事、人まかせの安閑とした老後は昔語りなのです。時代の変化を視野に、自分の生活は自分で設計し、創り上げていく努力が求められています。今回から、「人生 100 年シリーズ」(トーク&コンサート)全 8 回がスタートします。さあご一緒に、これからの人生を考えていきませんか。

豪華対談―人生 100 年時代をどう生きるか

轡田 隆史(テレビ朝日コメンテーター・元朝日新聞論説委員)
VS
加藤 仁(ノンフィクション作家

コーディネーター 都築 賢二(シニア社会学会事務局長)
07 年 4 月 13 日(金)午後 3 時〜 5 時 リバティホール

1. 日  時  2007年4月13日(金) 午後3時〜午後5時
2.会  場  (財)早稲田奉仕園  リバティホール
〒 169-0051 東京都新宿区西早稲田 2 丁目 3 − 1 .
電話番号 : 03-3205-5411 03-3205-5411
地図はこちら ? http://www.hoshien.or.jp
3.定  員  80 名
4.参 加 費  会員 1000円  一般 1200円
(全 8 回前払いの場合は、会員 7000 円、一般 8000 円)
5.主  催  シニア社会学会・(財)早稲田奉仕園
6.後  援 (株)タムラプランニング&オペレーティング
7.申し込み  参加ご希望の方は、 FAX または E-mail でお申し込みください。
シニア社会学会・事務局 電話& FAX : 03-5778-4728
(オープン:月・水・金)   E-mail : jaas@circus.ocn.ne.jp
★会員以外の方のご参加も歓迎いたします。

2.研究会報告とご案内
(1)雇用における年齢差別研究会
研究会は平成 19 年 3 月 13 日(火)慶應大学三田校舎で清家座長と会員 3 名の参加で開催されました。今回のテーマはアンケートの単純集計とクロス集計結果を清家座長に報告するとともに、その集計結果からの傾向を分析していただきました。その結果、クロス集計については肯定群と否定群に二分割集計し、さらに分析し易くするように指示されました。また、今後の報告書作成方針について座長より以下の提示がありました。@エイジレスフォーラムの研究会報告については、 60 %を単純集計の分析、 40 %をクロス集計の分析の割合でまとめること。A総会で報告ができるようにすること。内容は単純集計・クロス集計の詳細分析とし、会員相互の意見調整のもと実施すること。以上担当:黒澤。B今回のアンケートに対する報告書作成に当たっては、会員の個別のテーマに従ってアンケート集計を参考にレポートにまとめたものと第1項としてAでまとめたものを一つの報告書とする、ことになりました。次回の研究会については、追ってご連絡します。(担当 黒澤)

(2)次世代育成支援研究会
3月度例会は 3 月 8 日(木)南青山・子育てひろば「あい・ぽーと」で開催されました。「男の育児休業」の著者でもある佐藤博樹氏(東京大学教授)をお招きして「ワーク・ライフ・バランス実現のための課題」について伺いました。
「ワーク・ライフ・バランス」とは、自分のやりたい事・自分の仕事ができる環境が必要であるが、現状は企業・職場の上司から期待される仕事をしているとワーク・ライフ・コンフリクトな状態となる。企業・社員に求められることは@仕事の仕方を考える(再検討する)⇒時間が無制限にあるのではなく、時間に制約が出てくることにより仕事の生産性が上がりかつ効率が上がる。Aメリハリのある仕事の仕方をする⇒新入社員に半年残業をさせてはいけない。定時に仕事を終わらせなくてはならないなど。B育児休暇・介護休暇が取れる会社⇒戦力が育児休暇・介護休暇をとっても困らないよう仕事の割り振りや順送りをして、お互いに仕事をカバーできる仕組みが必要。これら全てマネージメントの能力が問われる社会(時代)である。また、企業のみではなくワーク・ライフ・バランスは地域にとっても、家族にとっても必要なことで、課題も多いが時代とともに働き方も今問われているのではなかろうか。
次世代研究会は今回をもって、 2004 年4月以来「企業」に視点を置いて、各識者をお招きしてお話を伺う研究会は終了いたします。これらを纏めて参議院選挙後新厚生労働大臣が落ち着いた頃に提言書を提出すべく準備に入ります。(担当 武者)

(3)第26回社会保障研究会のご案内
日時: 3 月 28 日(水)  18:00 〜 20:00
場所: お茶の水女子大学 生活科学部本館315号室
講師:吉竹 民樹氏 (こども未来財団理事長) テーマ:社会保障と年金(担当 大島)

(4)老若共同参画社会研究会
第 18 回研究会は、 3 月 16 日(金)早稲田大学高田牧舎 2 階で 14 名が参加して開催されました。テーマは、「老若共同参画社会『社会調査』について」と題して貴志義孝さんからの提案でした。当研究会の目的達成に向けての提案に対して、活発な意見交換が行われました。最後に濱口座長から総括がありました。
次回研究会は、 4 月 20 日(金) 17 時〜 19 時、早稲田大学高田牧舎 2 階人総研会議室で行ないます。テーマは、「『シニアからの 52 の提言』をテーマ別に分類し、 52 の提言の再整理と深耕を図ることを目的とした参加者による討議」です。従って参加者は、当日までに「シニアからの 52 の提言」を自分なりに分類し、A 4 サイズ 1 枚にまとめてご持参ください。問い合わせは、事務局当研究会担当の島村まで。(事務局 島村)

3.シニア社会塾 第8回「社会から排除される若者を生まない社会作り」報告
シニア社会塾「老若共同参画社会はどういう社会か」シリーズ第 8 回は、2月1 7 日(土)、宮本みち子氏(放送大学教養学部 教授 社会学博士)を講師としてお迎えし、日本大学会館(本部)で開催された。報告の概要は以下の通り。
若者側からの少子高齢社会をみてみると、若い人が不利な社会ということは、高齢者にとってもよくない社会であるといえると思う。日本が抱えている若者の問題は、先進国が抱えている共通問題でもある。
若者の就労は、全体的に不安定化している。正社員は全体の40%くらいしかいない。他は正社員と非正社員の間を行ったり来たりしている。このような若者は年収200万円を超えることができない状況にある。従って、結婚できない若者が出てきている。1980年代に中学を卒業した世代以後、最終卒業直後に就職しなかった者が急増。現在4割が学卒後、ただちに就職していない。
戦後から1990年代前半までは、学校卒業と同時に正社員の仕事に就くということが常態化していたが、今では学校卒業即正社員にストレートでなるということが難しくなっている。このようなことから、下記の現象が起きている。
●親への精神的・経済的依存の長期化
●生活基盤の脆弱化
●複合的困難を抱え、社会的に孤立化した若者の増加
●学校教育期終了後、行き場のない若者の増加
若者の自立支援は一番不利な状態にある者、低学歴層、複合的に困難を抱えている層に向けられるべきである。このような状態が起きてしまった背景には、20〜30代の若者の成長過程で日本社会の伝統的なつながりが希薄になってしまった社会構造がある。
若者の雇用問題が議論される過程で、1990年代に表面化し、政策課題にまでなっている。このような若者は働かないというのではなく、ニートとフリーターと失業者を行き来しているというジグザグなプロセスを辿っている。
若者自立支援体制が整備されてくる中で、緊急に支援が必要な事項が分かってきた。
・学校教育過程でのさまざまなつまずきの早期発見と支援開始 ・困難を抱えた家庭への支援 ・親に頼れない若者の支援 ・格差拡大を防止すること ・縦割り行政組織の壁を破って、包括的若者支援システムを地域に作る。
就労を軸とする自立支援策の展開が急務である。
・就労自立支援 ・日常生活自立支援 ・社会生活自立支援
高校を卒業してもなかなか安定した雇用に就けないことが問題であり、対策として高校卒業時に若者が就労できるようにすることが必要である。
社会的に若者が放置された状態になっている。特に難易度の高い若者への支援は、民間と政府が一緒になって支援体制を作ることが必要である。(事務局 黒澤記)


シニア社会学会・事務局 (月・水・金オープン)
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