豊かな「市民社会」元気な「老若男女共同参画社会」を目指して、シニア世代の役割を見直し、知恵を生かして行動します
一般社団法人シニア社会学会
「ポスト・ノーマル・サイエンス」に向き合う 
大江健三郎、坂本龍一という知の巨人を相次いで失ったいま、その死をどのように受け止める
べきかを考える一つの方法として、われわれの科学への向き合い方に注目してみたいと思います。
科学者ではない二人が、人間の原子力利用についての強い発言力と影響力を持ちうる理由の一端を、
今日の科学の状況から考えてみます。
T.クーンのいう現代の「ノーマル・サイエンス」(『科学革命の構造』みすず書房、1962)を問題
解決に適用して社会の発展に貢献できる科学の応用領域は、安全性への配慮が比較的行き届いた医学や
建築学、乗り物、工場生産機械のようなごく一部に限定されるようになってしまいました。原発事故、
環境問題、生命倫理、新型コロナ感染等の問題は、科学者の判断のみに頼って問題解決のための決定を
下すことの危険性を広く知らしめました。2006年、イギリスの科学哲学者J.ラベッツは、第1に、現代の
科学は予想できない複雑かつ有害な影響をもたらしかねないため、その客観性、確実性は大きく揺らい
でいること、第2に、急を要する社会問題の解決に科学や技術を適用する際に、そこから多大な利益を得
る人がいる一方、被害の形態や影響の複雑さにより多様な利害関係者間の論争が生じる傾向が高まると
いう2つの尺度から現代の科学を定義し、両方の度合いが高い状況に置かれた科学を「ポスト・ノーマル・
サイエンス」と呼んでいます(J.ラベッツ『ラベッツ博士の科学論』こぶし書房、2010)。
現代の原発再稼働や環境問題の場合、端的には経済成長を優先する立場と生命や生活の安全を脅かされ
る立場の論争がつねに付きまとい、その論争は経済成長を優先し大きな権限と既得権を持つ国や大企業に
有利に進められることが多いのが現実です。われわれはそれに気づきながらも、科学者の専門的知識だけ
に依存して重要な判断を為政者に委ねる伝統的な思考方法から抜けだせないでいます。現代の「ポスト・
ノーマル・サイエンス」の特質を認識するとき、われわれは利害関係からの中立を装い、科学者の見解を
鵜呑みにするだけでは済まないでしょう。むしろ自らの生活の安全性がいかに脅かされているのかにわれ
われ自らが深い関心を寄せ、生活者視点からの経験と知識の組織化をはかることが必要でしょう。また、
難解な科学用語をわかりやすい言葉で表現し議論する工夫を重ね、国や企業の問題解決を阻むような不誠
実な隠蔽を暴く告発者やメディアの力を味方につけ、安全と経済のバランスを図りながら誠実に問題の解
決に取り組むあらゆる立場の人の発言を尊重し、民主主義的な方法で論点を深め、問題解決のための科学
や技術の採用決定に影響を与えるようなフォーラムを生み出していくことの重要性を再認識せざるを得ません。
大江、坂本の両氏は、科学者ではない立場からそのような動きを創り出そうとする傑出したリーダーで
あったと言えるように思います。この二人の死をわれわれシニア社会学会のなしうることや可能性につい
て議論するきっかけにすることはできないでしょうか。
2023年4月
一般社団法人シニア社会学会事務局長 長田攻一
2023年度第22回大会開催のお知らせ 
今年度も昨年同様、大会は会場とオンライン併用のハイブリッド開催となります。会員・非会員を問わず事前にお申込みいただき、参加費も事前にお支払いいただく形といたします。
詳しくは プログラム

1)開催日 :2023年6月25日(日)14:00~17:00
2)会場:労働者協同組合連合会会議室
〒170-0013 豊島区東池袋1-44-3 池袋ISPタマビル8階
オンラインはZoom
3)大会テーマ:「ジェンダー平等の日本を創ろう!」
4)開催概要
◆基調講演:「もはや昭和ではない」時代の誰一人取り残さない社会
萩原なつ子(国立女性教育会館・理事長、ジェンダー研究)
◆パネルディスカッション
パネリスト:小平陽一(当学会運営委員)
「男性の視点でとらえた暮らしの中のジェンダー」
松島悦子(当学会理事)
「地域に残存する男尊女卑」
木村民子(元文京区議会議員、子どもの本研究家)
「議会の鉄壁を崩そう!」
コメント:萩原なつ子(国立女性教育会館・理事長、ジェンダー研究)
司会:袖井孝子(当学会会長)
◆参加費:会場・オンライン共に1000円
◆申込方法:
6月23日にまでにPeatix(https://2023taikai.peatix.com/view)
あるいは当学会宛のメール(jaas@circus.ocn.ne.jp)でお申し込み下さい。
メールでお申し込みの方は銀行または郵便局で参加費をお振込みください。
振込先など詳細は、プログラム をご覧ください。
新規会員随時募集中
シニア社会学会は、どなたでも入会できます。
入会申込書に必要事項を記入の上、事務局にお申込みください。
◆入会案内へ◆
シニア向けの分かりやすい「Zoom利用の手引き」公開
本学会理事で(公財)ダイヤ高齢社会研究財団の主任研究員・澤岡詩野さんが、 高齢者に仲間とつながるために「Zoom交流会」を開いてもらおうと作成した手引きを公開しています。マニュアルは「参加者向」「主催者向」で大きく分かれ、Windows、Android、iPhoneの種類別にアプリ のインストールからミーティング参加・開催が初めて・2回目など段階を追って書かれています。
マニュアルは改変禁止、再配布可能。
埼玉県共助の総合ポータルサイト「埼玉共助スタイル」からダウンロードできます。
◆埼玉共助スタイルへ◆
なお、オリジナルは以下のGoogleドライブからダウンロードできます。
こちらはバージョンアップなどに伴い改訂されます。
◆Googleドライブへ◆
研究会開催案内
研究会開催日は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため変更となる場合があります。詳細は、各研究会の担当者にご確認ください。
「社会保障」研究会
第151回「社会保障」研究会開催のお知らせ |
1)日 時:2023年5月17日(水) 18:00~20:00 2)報告者:五島朋幸(歯科医師・食支援研究家) 3)テーマ:「死ぬまで噛んで食べる~最期まで口から食べられる街づくり~」 4)Zoomで開催いたしますので、ご参加を希望される方は、阿部と小島にご連絡ください。後程、招待メールを差し上げます。 阿部fujiko-s@jeans.ocn.ne.jp 小島kojima.misao01@gmail.com (@は、半角にしてメール送信ください) ※ご質問がございましたら、阿部までご連絡下さい |
「シニア社会のリテラシー」研究会
第87回「シニア社会のリテラシー」研究会開催のご案内 |
(1)日 時:2023年5月25日(木) 15:00~18:00 (2)場 所:早稲田大学・国際会議場4階第7共同研究室 (3)テーマ:発表と意見交換<その―4>「多様なシニアの生き方が成熟社会を面白くする」 (4)発表者:安田 和紘 (5)参加費:300円 *お問い合わせ等は、担当:島村(ken-sima1941@jcom.home.ne.jp)までお願い致します。 |
「社会情報」研究会
第42回「社会情報」研究会開催のご案内 |
(1)日 時:2023年6月14日(水) 15:00~17:00 (2)場 所:Zoom開催 (3)概 要:俱進会助成事業 地域での報告原案作成 *参加ご希望やお問い合わせ等は、担当:森(moriyasu@ied.co.jp)までお願い致します。 |
「YNSやまぶき任意後見サポート会」
第34回「YNS やまぶき任意後見サポート会」開催のお知らせ |
(1)日 時:2023年6月17日(土) 18:30:~20:30 (2)場 所:品川区東大井 5-18-1 きゅりあん 第二グループ活動室 (3)テーマ:認知症とともに生きる 劇団「B笑座(びしょうざ)」第21回 「認知症とともに生きる」です。 認知症らしさを体験することで新たな発見が生まれます。 劇団員募集しています。Zoomの参加もできます (4)発表者:鈴木眞澄及びその他YNS やまぶき任意後見サポート会 *お問い合わせ等は、担当:鈴木眞澄(mme_masumi@yahoo.co.jp)までお願い致します。 |
「ライフプロデュース」研究会
第44回「ライフプロデュース」研究会開催のお知らせ |
(1)日時:2023年6月6日(火) 17:30~19:30 Zoom開催 (2)テーマ:読書会 『私とは何か』「個人」から「分人」へ 平野啓一郎 講談社現代新書 2012年 「分人」とは何か? 人間の基本単位を「個人」から「分人(ぶんじん)」に考え直すことで、世界の見え方は一変する。一人の人間は、複数の「分人」のネットワークであり、そこには「本当の自分」という中心はない。対人関係ごとに見せる複数の顔=「分人」が全て「本当の自分」であるという趣旨でこの本は書かれている。さて、あなたの読後感、お考えは? ※ご連絡ご質問は、中村までご連絡ください。(nakamurayoshiko6@gmail.com) |
『エイジレスフォーラム』バックナンバー販売について
『エイジレスフォーラム』バックナンバーを販売いたします。残部数の少ない号もございます。会員は勿論のこと個人(会員外)にも対応致しますので、バックナンバーの販売にご協力をお願いします。
『エイジレスフォーラム』は、シニア社会学会の機関誌で、学会設立から2年後の2003年に創刊。毎号、6月の大会の収録記事、各分野の専門家の講演や公開講座など、シニア社会学会の活動の数々を収録、掲載しております。
各号の詳細は、シニア社会学会のホームページ機関誌・研究成果を参照下さい。
<販売バックナンバー>は、
◆創刊号(2003年発行)~ 第15号(2017年発行)までの各誌。
◆価格・・1部 500円(送料込)
◆支払方法・・『エイジレスフォーラム』と同封の振込用紙にてお振込みください。
◆購買ご希望の方は、下記シニア社会学会事務局宛に、e-mailにて、ご希望のバックナンバーをご連絡ください。
◆連絡先 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21
ちよだプラットフォームスクウェア1037
一般社団法人シニア社会学会 事務局
e-mail jaas@circus.ocn.ne.jp
新着情報
2023.5.16 JAASNews第285号を掲載
2023.4.17 JAASNews第284号を掲載
2023.3.14 JAASNews第283号を掲載
2022.8.8 学会の新しいリーフレットを作成しました
2022.8.8 「活動について」のページを新しくしました
2022.6.29 事務所移転しました
新住所
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21
ちよだプラットフォームスクウェア1037
2022.5.27 「村人ブログ」に会員の小矢野正夫さんのブログリンクを加えました
2022.2.4 「村人ブログ」に会員の安田和紘さんのブログリンクを加えました
2022.1.21 「村人ブログ」に会員の薄井 滋さんのブログリンクを加えました
2022.1.18 「村人ブログ」に会員の松島悦子さんのブログリンクを加えました
2021.12.07 2021年8月8日(日)に行われた板倉真琴監督「ひとと原発」上映対談会の記録を掲載
2020.1.20 「災害と地域社会」研究会2016―2018年度報告書を掲載 (4.2MByte)(ファイルの容量が大きいのでお気をつけください)
3/13内容に修正があったため、差し替えております。
2019.11.11 第5回シンポジウム「あれから 8 年-<二点居住>という生活のかたち 」の記録を掲載
2018.8.6 第4回シンポジウム「あれから7年~私たちはフクシマをわすれない~」の記録を掲載
2017.4.19 「災害と地域社会」研究会2015年度報告書を掲載 (3.7MByte)
(ファイルの容量が大きいのでお気をつけください)
2017.3.8 2016年11月19日に開催したシンポジウム「(第3回)私たちはフクシマをわすれない」の記録を掲載
2016.4.28 「コミュニティ学のススメ-ところ定まれば、こころ定まる」要録を掲載
2015.9.24 「災害と地域社会」研究会2014年度報告書を掲載 (8.5MByte)
(ファイルの容量が大きいのでお気をつけください)
2015.4.16 「あれから5年~私たちはフクシマをわすれない~」要録を掲載
2014.10.8 「災害と地域社会」研究会2013年度報告書を掲載
(この報告書目次のタイトルをクリックすると、各章に跳びます。)
2014.7.4 機関誌「エイジレスフォーラム」投稿規程を掲載
2013.7.8 「濱口研究会10年・100回記念号―シニア社会のリテラシー」頒布のお知らせ
2012.4.12 2011年度WAM助成事業「ICTによる高齢者孤立防止モデル普及事業 報告書」 を掲載
2011.4.1 2010年度WAM助成事業「ICTによる高齢者孤立防止モデル開発事業 報告書」 を掲載
2010.5.1 ホームページをリニューアルしました。